フランクフルトから/Grüß aus Frankfurt

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世の中は狭い! その1

2009年12月6日(日)

19:00 オペラでモーツァルトの『魔笛』が開演だ。
雨がほとんど上がったので自転車で行く。
また降られても良いように着込む。



休憩の時、コントラバス同僚(バス2本の仕事です)とコーヒーを飲んでいるところに、ステージマネージャー(楽器運搬、いず並べ、などの仕事)がやってきた。
マンハイム劇場から来たエキストラが,ヴァイオリン・ケースをピットの入り口脇においたのに見あたらない、どこかで見かけなかったか?と聞いて回っている。
最近劇場内盗難が多いので、イヤーな感じがした。

でも結局誰かが安全のため(盗まれないように)保管しておいて、オーケストラ事務局に持ってきてくれたそうだ。
ケースには予備の弓と現金が入っていたそうな。

でもなぜそんなところに置いたのだろう?
それは帰宅して判明した・・・・・・・以下顛末。


『魔笛』が終わって,家まで自転車を飛ばす。
昨日からの走り方で、安全なところを見計らって左のビンディングを外して、右脚だけで漕ぐのだ。
右脚が特にO脚でうまく体を支えられず、その負担が長年左脚にかかったのが椎間板ヘルニアの原因になった、というのが石川先生の診断。実際に自転車を右だけで漕ぐと,ぎくしゃくとして綺麗にクランクが回らないのだ。
そこで右脚の訓練中というわけ。膝がトップチューブをこするように走る。

ガレージに自転車を仕舞ってアパートの入り口まで来たら、隣のピザ屋にまだ人がいる。
知った顔なので店に入った。
このピザ屋、以前はイタリア人経営だったのが3年ほど前にモロッコ人に変わっている。
中にいたのはモロッコ人とドイツ人カップルだった。
モロッコ人は経営者、コック、客の2人の計4人。
話が弾んで楽しいったらありゃしない。

客の一人(モロッコ人)と話した。
今『魔笛』を弾いた帰りだと言ったら、今日の公演直前にマンハイム劇場のヴァイオリニストを市立オペラまで運んだのだそうだ。
このヴァイオリニスト、劇場の近くに駐車したのは良いけど劇場とは反対方向に歩いてしまった。そこでタクシーを拾って、
「ヴィリー・ブラント・プラッツのアルテ・オパーへ急いで!」と駆け込んできたらしい。
タクシーのモロッコ人運転手、
「アルテ・オパーはオペラ広場、ヴィリー・ブラント・プラッツにあるのは市立オペラだけど、何があるの?」
「『魔笛』の公演で急いでいるんだ。」とヴァイオリニスト。
「それならアルテ・オパーじゃないよ。」
公演開始4分前に楽屋口に横付けにした。
「おれは本をよく読んでいるし、文化に詳しいんだ。作曲家で好きなのはE.グリーク。モーツァルトの魔笛も良い曲だ!
オペラの楽屋口に直行できるモロッコ人タクシー運転手は俺だけだぜ」
インテリ・タクシーの運転手で、クラシックの作曲家のことなどよく知っている。

ヴァイオリニストは大急ぎでピット入り口の横にヴァイオリンケースを置いて、すぐに演奏を開始した。

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フランクフルトには、
フランクフルト市立オペラ(ヴィリー・ブラント・プラッツ)
アルテ・オパー(オパールン・プラッツ)
と二つの『オペラ』がある。

いかにもオペラ然としたアルテ・オパーは第2次大戦で破壊されるまで、市立オペラの本拠地だった。
1981年に多目的ホール(主にコンサート)として修復・再建された。
外側の石壁はオリジナルだけど、中身はそっくり新しくつくられた。

一方、現在の市立オペラは、戦争で比較的被害の小さかった演劇場を増・改築してオペラ、演劇、小演劇からなる3舞台の大劇場にしたもの。古い(!)市民の間では『新しいオペラ・ハウス』と呼ばれている。
この『新しいオペラ・ハウス』、1987年に放火で焼けて、1991年復興した。
つまり『新しいオペラ・ハウス』がもっと新しかった『古いオペラ・ハウス』より新しくなったのだ。(ややこし!!)

ツーリストだけでなく住民でも、この二つのオペラを取り違えたりして、わかっていない人が多い。

参照:Oper Frankfurt, ドイツ語
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by ichironoda | 2009-12-07 16:46 | フランクフルト/Frankfurt
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フランクフルト市立オペラ首席コントラバス奏者、ヴィオラ・ダ・ガンバ/ヴィオローネ奏者、野田一郎が、お知らせ、独り言、ドイツ・フランクフルト事情を発信します。


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