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フランクフルトから/Grüß aus Frankfurt

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GSI

2006年11月7日(火) - 11月14日(火)修正 - 11月15日(水)修正

GSI訪問。



日本からコントラバスの弟子がドイツに来ました。

といっても今回は音楽は関係なし、某国立大学の名誉教授、I博士です。
I博士は世界の物理学界の中でもトップクラス、ノーベル賞候補で、
日本学術振興会理事。
東京のあるアマチュアオーケストラでコントバスを弾いています。

今回もハイデルベルクで開催された学会に出席、帰りにフランクフルトで一泊。
その晩はフランクフルトオペラの定期コンサートに出向き、
終演後はお決まりの酒盛りです。

翌日私は丸一日ダルムシュタットでレッスン、午前の2時間しかお相手できません。
そこでGSIに行く事にしました。
フランクフルトからダルムシュタットに行く途中の小さな町、
ヴィクスハウゼンはずれの森の中ににGSIがあります。
Gesellschaft fuer Schwerionenforshung mbH
ゲゼルシャフト・フュァ・シュヴェァ・イオーネン・フォルシュング・エム・べー・ハー
つまり重イオン科学研究所ですね。
加速器や、ガン治療施設その他があります。


<科学技術週間について>

文部科学省の「科学技術週間」でDLできる一家に1枚周期表の原子番号107-112の元素は、全てGSI
ダルムシュタット工科大学で発見(研究、開発)されたのです。
ちなみにハッシウム(108)は所在地のヘッセン州 ダルムスタジウム(110)は近くのダルムシュタット市から来ています。
112は名称未設定です。
ついでに、113は日本で作られました。
(『107-112』は最初金属と書きましたが、kleioさんのご指摘で修正しました。感謝)

GSIのHPと『一家に1枚周期表』によると・・・・・

107BohriumBh1981年2月24日 17 s/17 s
108HassiumHs1984年3月14日 25 s/9 s
109MeitneriumMt1982年8月29日 42 ms/70 ms
110DarmstadtiumDs1994年11月9日 56 ms/0.17 ms
111RoentgeniumRg1994年12月8日 6,4 ms/1.5 ms
112vorl. Ununbium1996年2月9日 0,6 ms/0.28 ms
(最後の数字は半減期、GSIのHPからの引用/『一家に1枚周期表』からの引用です。これら元素が不安定なせいでしょうか??????
kleioさんお助けを!)

そしてこのGesellschaft fuer Schwerionenforshung mbHヘルムホルツ協会に属しています。
この団体は日本学術振興会のドイツ版です。

私のコントラバス奏法はヘルムホルツ波を励起させるもので、
この理論はI博士に、その効果を認めていただいてます。
ヘルマン・フォン・ヘルムホルツは19世紀のドイツの科学者です。
一口に科学者と言っても、彼の場合は物理学、音響学、心理学、医学・・・・と非常に多岐にわたり、現代のダ・ヴィンチと言えます。

ピアノの最高峰、スタインウェイのピアノはヘルムホルツの協力でできたのだそうです。
また彼はピアニストとしても相当な腕を持っていたといわれています。

今回の訪問では、前日の晩に急なアポイントメントを取り付けました。
連絡をとったのは娘エミリンのレッシング・ギムナジウム(Lessing-Gymnasium)の物理/数学教師G氏です。
G氏は教員(週3日)とGSI職員(週2日)をしています。
エミリンにピアノを習い(助言程度だったけど)、フランクフルトの教会の合唱団員です。

ギムナジウムは小学校5年から高校4年まで学ぶ、進学校の形態、
フランスのリセと同じで卒業試験で大学入学資格(アビトゥア、ヴァカロアと同様)が取れます。

GSIには青少年実験室が設置されていますが、これはG氏の発案、努力で開設されました。
開設にあたっては生徒の協力を得たのですが、エミリンもその一人です。
一番下の写真の女の子がエミリンです。

私はレッスンの時間が迫っていたので、直線加速器の一部を見ただけでしたが、
光速には及ばないものの(当たりまえか)ほぼそれに近い速度で
粒子がとんでいくなんてワクワクします。この大規模な装置(それでも
ジュネーブのCERNなどに比べたらはるかに小型)と粒子の大きさを考えると、
何だか奇妙な感じです。
この直線加速器は120m、秒速3万kmに達します。

G氏との話で、近い将来GSIでのコンサートと、レッシング・ギムナジウムでの
ヘルムホルツ波を中心とした『物理+音楽』のコンサート/講義をする事になりました。
by ichironoda | 2006-11-13 17:01 | フランクフルト/Frankfurt
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フランクフルト市立オペラ首席コントラバス奏者、ヴィオラ・ダ・ガンバ/ヴィオローネ奏者、野田一郎が、お知らせ、独り言、ドイツ・フランクフルト事情を発信します。


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