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フランクフルトから/Grüß aus Frankfurt

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偶然か運命か・・・・・

2013年11月12日(火)

画を買った。といっても手付け金を払っただけだけど・・・。

(11月13日(水)、引き取ってきました。画像も追加しました。)

マイン川で舟から荷上げされるワインの樽とフランクフルト市の様子を描いた版画(Robert Bowyer, 1814)だ。1815年に色づけされている。

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下の画像↓は別の画。(刷られた数は不明です。)
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石川先生(石川治療院, Konstabler Wache)の治療を受けた後、自転車で家に向かってTöngesgasseを走っていた。いつも気になっていた骨董本屋を通り過ぎたところで何か気になって戻る。その骨董本屋の前に駐輪した。
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道路に面した壁に版画が何枚か掛かっていた。その一枚が自分を呼んでいる。
主人がその画を手にとってフランクフルトの歴史を語り始めた。
フランクフルトオペラ、ナポレオン侵攻、普墺戦争とスエーデンのフランクフルト侵攻、フランクフルトのワイン生産からリンゴ酒への変遷、大聖堂の焼失と再建、それに伴うプロイセンの策略、マイン河の底が浅かったこととそのための独特な舟作りについて、などなど話は尽きない。

そこにある男が犬を連れてやってきた。後で分かったことだがこのボクサーは主人の飼い犬Max, 男は骨董本屋主人の息子だった。

Max ↓
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知り合いの女優Regina(後述)もこれと似た犬を飼っているな、と思った。

この版画、フランクフルトを流れるマイン河の今は無き中州、Mainlust付近から見た19世紀初めのフランクフルトを描いたものだ。
そのMainlustは河川工事によって跡形も無い。


思わず手付け金を払ってしまった。値段が適切かどうか、どうでも良くなった。


家に向かう。
自分のアパートの下にはモロッコ人経営のピッツェリア『フィオレンティーナ』がある。元々はイタリア人夫婦が開いた美味しい店だったが、モロッコ人が権利を買った後、代が替わって今は3代目のモロッコ人経営だ。私はピザの箱折を無償で手伝っている。単純作業がなかなか楽しいのだ。
ピザの箱を20個ほど組み立てた。

奥を見るとくだんの女優、Reginaが食後の読書中だった。もちろんボクサーの愛犬Emmiはテーブルの下で大人しくしている。
久しぶりに会ったので話し込む。
彼女は最近の活動を語った。
近くGiessenの劇場でリハーサルが始まるけど、彼女の役は難しい性格の老婦人だ、という話。
そして最近朗読した本の話、マイン河の中州(今は無い)Mainlustにあった同名(Mainlust)のレストランについて書いた本だ。

Mainlust????

自分は興奮して「たった今そのMainlust辺りから見た風景を描いた画を買ったところだ」と言った。
彼女、「どこで買ったの?」
自分、「Töngesgasseの骨董本屋さ」
彼女は、あの店は今では見られない古くからの真面目な店で、大事にしなければ行けない。自分も何度かあそこで買っている、という意味のことを言った。
さらに・・・・
「あそこのボクサーは私のEmmiの兄弟よ!Maxっていうの。」

Emma(こっちが本名、エミになったりエマになったりします)↓
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Maxと↓

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Emma↓

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彼女とは来週の火曜日にこの『フィオレンティーナ』でデートだ。彼女はMainlustの本を朗読してくれる。
自分はMainlustから描いた版画を彼女に見せる。

家ではかみさんがムール貝を蒸していた。
イタリアの安い白ワインを開けながら、ラジオに耳を傾けた。古いインタビューと音楽だ。
そこからはフランクフルトの作曲家、自分の勤務するフランクフルト市立オペラ・オーケストラのコンサートマスターだった故パウル・ヒンデミットの声が流れてきた。

版画の右端に見える塔「Kuhhirtenturm」(牛飼いの塔)に、パウル・ヒンデミットは住んでいて、「マリアの生涯」「Cardilac」を作曲した。


フランクフルト万歳!
by ichironoda | 2013-11-13 08:07 | フランクフルト/Frankfurt
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フランクフルト市立オペラ首席コントラバス奏者、ヴィオラ・ダ・ガンバ/ヴィオローネ奏者、野田一郎が、お知らせ、独り言、ドイツ・フランクフルト事情を発信します。


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