フランクフルトから/Grüß aus Frankfurt

ichironoda.exblog.jp ブログトップ

ケルン行

2013年1月8日(火) - 1月10日(木)・・・・・・・・1月16日(水)完結

3日間休み。
ザールブリュッケンまで190kmほど。ドイツで一番おいしい日本レストラン[レストラン橋本]に行きたかったけど、当地のグルメ人M.F.君と一緒に食べたい。でも彼は多忙だというのであきらめた。

娘の住むケルンなら同じくらいの距離だ。よし、ケルンにしよう。

GPSデータ:
1月8日(火)GPSies - 2013-01-08, FFM-Kestert
1月9日(水)GPSies - 2013-01-09 Kestert-Köln
1月10日(木)GPSies - 2013-01-10 Köln-FFM



コースは2種類。ライン川沿いコースと山ルートだ。
川ルートは蛇行するので距離が長い。
山ルートは当然獲得高度が大きい。

とりあえず往路は川に沿って走ることにした。

1月8日(火)の走行、15:01 - 22:40, 197km, 累積高度:664m

GPSトラック作りと荷造りで相変わらず時間がどんどん過ぎていく。遅いスタートになった。
昼食をまだ摂ってない。近所の旨いピザ屋は午後休み中なので、去年開店したおにぎり屋さんに向かう。あらま、ここも年末年始休暇なのか閉まっていた。仕方がないので夕食まで[お預け]にしてマイン川に出た。予定コースから外れている。

ヘキストで本来のルートに入った。
ここからマインツ、ヴィスバーデンまではたびたび走っているけれど、毎回、道に迷っている。
だから今日はおとなしくGPSに従う。

ヴィスバーデンのお城の前に来た。ここで演奏したことがあったなぁ(遠い目)。
a0056401_20362180.jpg


すでに暗い。ヘルメットライトと蛍光ヴェストを装備した。
ライン川沿いといっても自転車道でなく一般道を走る。

自転車道は一応整備されてはいるけれど危険だし走りにくい。
よく検討すると車道をしっかり走った方が安全なのだ。
1,幅が狭い。
2,歩行者と同居の上、歩行者優先なのでスピードが出ない。歩行者は自然の成り行きで注意散漫。(批判ではありません)
3,突然の急カーブが多い
4,交差点で必ず車道が横切る。
5,段差、マンホール蓋などが多い。
6,木の根っこによる凹凸が激しい
7,標識、信号機等が立っていることがあるが、暗いと見えない。
8,枯葉、ガラス破片が多く、除雪もされていない事が多い。
車道では、手信号、車運転者とのアイコンタクト、標識灯(前後灯、蛍光ヴェスト、スポーク反射具など)が大事だ。やたらに左右にふらつかないこと。大事なのは[自転車も交通機関の一種である]という認識と[車道を借りて走っている]という意識だろう。
後方確認も大事だ。



ヴィスバーデンを過ぎると[ラインガウ]というドイツワインの産地に入る。
ワインの産地はいずこも比較的裕福でぶどう園シャトーが建ち並び、良いレストランも多い。
どこかでおいしいものを食べたい。
と思って走っていると、一軒の煉瓦造りが目にとまった。

ちょっと迷ったけど、ブルベじゃないしゆっくり楽しんでいこう、ということでおずおずと店に入る。
Restaurant "Kleines Gasthaus"
白ワイン(Pino Grigio):この付近はリースリングの産地だけど好みでイタリア物を。
燻製マスの泡スープ:軽くてとてもおいしい!
季節のフレッシュサラダ、カボチャ・オイル、クルミ、ひまわりの種:すべてがしっかりした香りを持っていてさわやか。
[鮭・エストラゴン]のリングィーネ:鮭の塊がちょっと大きすぎかな? 麺は最適のゆで方。
おいしいし感じも良い。さらに値段も手頃で、昼のメニューなどこちらが心配になるほどだ。
エスプレッソで仕上げ、サドルにまたがる。

食事中から、このままケルンまで走ってしまうか宿泊するか迷っていた。
シーズンオフなのでライン川沿いの保養地は閑散としている。夕方までに入らないと泊めてくれないホテルも多い。

とりあえず行けるところまで行って考えることにして漕いだ。
見慣れた景色、ただし夜景が過ぎ去っていく。
a0056401_5185823.jpg


たまに何かが近づいてくる音がするけれど何も見えない。貨物列車だ。ライン川の両サイドに複線区間が走っているので結構頻繁に貨物列車が通過する。こわっ! 横を列車が通り過ぎるとヘルメットライトに照らされて細かい粉が舞っている。鉄の粉だろう。吸い込むのはいやだな。

22時半過ぎ、ケステルト(Kestert)で、レストランに明かりの灯っているホテルを通過した。
ビールを飲む人の姿が見えたとたんに、
「よし、ここで沈没だ。このまま走ればケルンに着くのは早朝で、それまで景色は見えない。なら、明日景色を見ながらケルンを目指そう。」
地元の常連客と、カップルが一組ビールを飲んでいた。

常連客、Stammgast, シュタム・ガストといいます。彼らのために大きなテーブルが毎晩予約されています。一般客に迷惑がかからないように飲む常連客が多いんです。

シングル50ユーロ、シャワー・トイレが部屋についていて、税・朝食込みの値段だ。
この店の主人がビールをついでくれて、常連客の中に入った。
今まで接したことの少ない方言で、全く聞き取りにくいったらない。
口を開けたら「おまえはヘッセン方言だな!」ときた。
隣のライプツィッヒ(旧東独)から着たカップルはザクセン方言丸出しでしゃべっている。方言は楽しい(*^_^*)

宿泊客は自分一人だけだった。

寒い上に夜行貨物列車の音で何度も目が覚めた。


1月9日(水)の走行、10:29 - 19:13, 133km, 累積高度:768m
ライン川は今も貨物輸送の動脈だ。
液化ガス、石炭、石油、自動車、鉄くず・・・・・・いろいろなタイプの船を見るのは飽きない。
a0056401_5313151.jpg

a0056401_5321197.jpg



川の両岸にそれぞれ複線の鉄道が敷かれている。向こう岸を走る第1世代ICE。
a0056401_5443321.jpg


ICE第2世代かな?
a0056401_23342381.jpg


編成の前後に電気機関車を連結した2階建列車。
a0056401_5423926.jpg


泊まったホテルは[金の星(Goldener Stern)]
a0056401_5341661.jpg


朝食はとても豊富だった。客は一人なのに山ほどジャムやフルーツサラダが盛られている。
心のこもった食事はうれしいけれど、ちょっと行き過ぎだな、こりゃ。途中の弁当用に袋まで用意してある。サンドイッチを作って持ち帰るわけだ。ごちそうさま!

ブラウバッハ(Braubach)ではコースから外れて川沿いの自転車道を走った。
水没していたらしくて、舗装道路が泥で覆われていいたりして走りづらい。
そしたら消防車がサイクルロード/散歩道の泥落としをしていた。
a0056401_552019.jpg


すごく立派な屋根付きの井戸かな?
a0056401_5544198.jpg


ラーンシュタイン(Lahnstein)はラーン川がライン川に合流する街。
ライン川沿いを走るとラーン川を横切る橋を渡ることになる。日本語で書くとややこしい!
a0056401_6103638.jpg


ロータリーのモニュメント。蒸気機関車の動輪と従輪を半分に切って組み合わせ、右手前は線路の残り。
a0056401_6113164.jpg


宿泊したケステルトからコブレンツは道のりで30kmほどある。
コブレンツにはもう何十回と来ている。行きつけの弦楽器工房、木村玄マイスター、今は山の中腹に工房を構えているけれど、以前は市内のライン川沿いだった。
工房は毎年何度か浸水に見舞われていた。高水警報が出ると木村さんが大きな機械や楽器作りの材料(木材)を上の階まであげていたのを思い出す。
ここ数日はやはり水位が高かった事もあって、川に沿うサイクルロードは進入禁止になっている。
a0056401_6122616.jpg


でも何台か走っているのが見えるし駄目なら引き返せば良いので、前進した。
水際の木々にはいろいろなゴミが流れ着いてぶら下がっている。
a0056401_6125484.jpg

a0056401_6133656.jpg


ヴァレンダー(Vallender)でサイクルロードから国道B42に出る。測線が広いし平坦で舗装も良い。ずっとこうなら気が楽だけどそうは問屋が・・・・・
このB42、高速A48とのジャンクションから先は自転車通行禁止だ。並行(といってもクニャクニャ曲がる)する地元道を走ることになる。
崖の中腹にある近在の村にあがったりするので短いけれど結構な急勾配が現れる。

バート・ヘニンゲンのラインブロールの地区(Bad Hönningen/Rheinbrohl)で庭に鉄道用信号機の立っている家を見つけた。
さらに炭鉱鉄道などに使うナベトロが展示され、5インチゲージ(軌間127mm)のエンドレスが敷いてある。
a0056401_6145696.jpg

a0056401_6153872.jpg


隣の家にはナローゲージの台車まであった。その隣人に聞くと線路の敷いてある隣人が鉄道ファンで、台車は預かって置いてあげているのだそうだ。
a0056401_6164063.jpg


バート・ヘニンゲンを通り過ぎて調子よく走っていたら、あらら!
自転車と歩行者通行禁止だって。もっと手前に立ててほしいな、この手の標識は。
a0056401_6212392.jpg


リンツはオーストリアの都市が有名だけど、ここにもあってリンツ・アム・ラインという。そのロイスドルフ地区(Linz am Rhein/Leubsdorf)で河畔に出てホテルで作ってきたサンドイッチを食べた。食べている内に雨があたりだした。いやだな、こりゃ。

小雨だったので無視して走ったけれど徐々に強くなってきた。
リンツの鉄道下駐車場に入って雨具を装備した。
ネオプレンの靴カバー、防水ズボン(太ったせいもあってちょっときついなあ)、防水ジャケットを着る。
手袋が濡れると始末が悪いのでサンドイッチを入れてきたビニール袋をかぶせた(破けて使い物にならず)。ヘルメットからは水が入るけど、無視!

リンツ駅の狭いヤードに保存車両が集められていた。懐かしいなあ!
a0056401_6244991.jpg


エルペル(Erpel)、対岸はレーマーゲン(Remagen)。
この2市を結んでいたのがルーテンドルフ橋だ。
第2次世界大戦の末期、アメリカ軍の進撃を阻止するため、退却中のドイツ軍が橋に爆薬を仕掛けた。
爆破は完全ではなかった。アメリカ軍が渡った後、爆破によって強度が落ちていたため10日後に自然陥落したそうだ。
アメリカ映画の題材にもなっている。

ルーデンドルフ橋のエルペル側橋脚。
a0056401_6431825.jpg


この鉄橋でライン川を渡った鉄道はすぐにトンネルに入る。そのトンネルを改造した劇場。
a0056401_6421595.jpg


たまに小降りになるけれど雨が降り続く。

ボン(Bonn)で橋を渡る。ライン左岸を北上してケルンに入る。
もう暗いので雨具の上から蛍光ヴェストを、ヘルメットにはライトを装着した。

大分都市部の雰囲気が強くなってきた。
ケルンのライン・サイクルロードに入ると、どうやら車が一台こちら向きになっている。ハイビームがまぶしくて前が見えない。
雨でメガネが濡れているのもそれに輪をかける。
近寄るとサイクルロードの枯葉掃除をしているケルン市清掃局のトラックだった。実に危ない。

サイクルロードに[迂回]"Umleitung"の看板が立っている。このままラインに沿って北上すればゴールなのに無理に左折させられた。
迂回路表示は突然全く関係のないところで[迂回終了]の看板が出て無くなってしまった。
前後灯をつけて道を探しながらゆっくり走ると、GPSがピーピー鳴って再起動を繰り返す。ハブダイナモの発電量が足りないのだ。
おかげで道を調べることができない。回り道やら元のところに戻ってしまったりしながらも絵美の家についてのは19過ぎだった。

まずは濡れた物を干してシャワーを浴びる。
冷たい手足が痒さを通り越して暖かくなってくる。実に気持ちが良い。

絵美とは日本食[桃太郎]に行った。値段設定よりクオリティが高いと思った。


1月10日(木)の走行、09:58 - 23:32, 197km, 累積高度:2436m

明日は10時に[ラインゴルト]のリハーサルが入っている。
走行中何起こるかわからないのがちょっと不安、そこで同格主席のブルーノ君に電話して仕事を代わってもらった。その替わりに明日の夜の本番[フィガロの結婚]をブルーノ君に代わって弾く。
[ラインゴルト]のリハーサルは2時間半、[フィガロの結婚]の本番は3時間半以上だから、まあ良い交換条件でしょ。

山ルートにするか川ルートにするかずいぶん迷った。
今日の心配は雨だ。さてどうなるか・・・・・・

絵美には川コースで走ると言い残してスタートしてけれど、すぐに気が変わって山コースへ!

ミュールハイマー橋(Mühlheimer Brücke)を渡って右岸へ。
a0056401_772621.jpg


川の[右岸][左岸]について。
ドイツの場合、下流に向かって進む場合の左右で決めているのです。


ケルン空港を回り込んで南下する。着陸灯がきれい。
a0056401_793144.jpg


ジークブルク (Siegburg)だったかな、道路脇に線路が見えた。もう何年も使ってないんだろうな。
以前この場所を通ってこの線路を見たことがあるような気がする・・・・・・。
a0056401_7295144.jpg



この町を過ぎたあたりから登りが始まった。

ケルンのスタートから2時間半、50kmほど走ってウッケラート (Uckerath)で美味しそうなトラットリアを見かけた。(トラットリアを食べるわけじゃないけど・・・)
昼のメニューは安いし麺のゆで加減が最適で美味しかった。
気になったのは主人の態度だ。どうもサイクリングの格好で入るといやがられるみたい。残念だな、味は良いのに。

この後はとにかく坂を上ったり下ったり、写真を撮る暇はないけど景色を見ながらひたすら漕いだ。

ヘッドライト、テールライトをハブダイナモから給電している。
さらにハブダイナモから枝分かれさせてトランスにも電気を送っている。
このトランス、ブッシュ&ミュラー(Busch&Müller)のE-Werkという製品。自分は5Vを出力、バッファーバッテリーを通してGarmin Oregon 450(GPS)を駆動する。バッファーバッテリーは電圧を安定させるためにある。
問題は上り勾配だ。ヘッド、テールとも少し暗くなっただけで自動で点灯するが、 上り勾配で点灯していると電気が足りなくなるのだ。
そうなるとGarminがピーピーと泣き始める「電気くれー、電気くれー」と言っているのだ。
そして再起動を繰り返すのでコースが読み取れない。何回かミスコースしてしまった。
バッファーバッテリーは重いし、その分で電池を持って行けるから電池駆動に戻そうか?
新製品のUSB-Werkはバッファーバッテリーが内蔵で全体が軽いし新設計だからもしかしたら行けるかも。


気温が下がって手が冷たい。
腕を振ったり指を動かして、何とか感覚を取り戻しながら走った。
これをするたびにweingauさん(フランクフルトの自転車仲間)の[冷たい指先を温かくする方法論]を思い出す。

道路の規格の低い田舎道は勾配がきついことが多い。
10%超えが何回も出てきた。
ヴァイルブルク(Wielburg)に入るとすごい下りだ。スピードが出すぎて怖い。
と思うまもなく同じ勾配の登りになってしまった。またまたGPSが泣いている。
この街で夕食をと思っていたが登りにかかったら店がほとんど無い。
登りの終わりにトルコ、ケバプ屋があった。ふう!

エネルギー補給していると、回りのトルコ人がいろいろ話しかけてくる。
みんな人なつっこいね。(*^_^*)

そのうちの一人がフランクフルトまでの比較的楽な道を教えてくれた。ありがとう、でもね、予定コースで走ってみたいんですよ。

それからが大変だった。
だらだらと登りが続き、やっと終わって少し下がるとまたまただらだら上り。
それでも4回上るとタウヌス山塊を超えてフランクフルト郊外の平坦地に出ることができた。

前をぼろ自転車で走っている男がいた。
追い越したけれどまた目の前にいる。ショートカットを知っていたらしい。
また追い越したが、その先の小さな上り勾配で追い返されてしまった。脚の付け根が疲れていてもう踏めないよ!

久しぶりの長距離は楽しかった。
翌日からフランクフルトでは気温が下がり、これを書いている1月16日は雪だ。


完結
[PR]
by ichironoda | 2013-01-13 23:05 | 自転車/Fahrrad
line

フランクフルト市立オペラ首席コントラバス奏者、ヴィオラ・ダ・ガンバ/ヴィオローネ奏者、野田一郎が、お知らせ、独り言、ドイツ・フランクフルト事情を発信します。


by ichironoda
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30