フランクフルトから/Grüß aus Frankfurt

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スイス・バーゼル交響楽団

2010年4月12日(月) - 15日(木)

フライブルク200kmブルベは4月11日(土)。
その数日前、バーゼル交響楽団から問い合わせがあり、緊急でコントラバス・トラ(エキストラのこと)2名を探しているとこのこと、仲間に仕事を換わってもらって行けることになりました。
2人目は私のクラスにいたS君にお願いしました。



フライブルクから直接11日にバーゼル入りして、12-15日に仕事、16日はフランクフルトに戻ってオペラを弾きます。

フライブルクに自転車を持って行くので、車に楽器を入れると面倒です。
ヨーロッパは車上荒らしが多いのです。高価な自転車ともっと高価な楽器が入っていて、駐車場とホテルの間を一度に両方は運べません。

私のコントラバス、プライベートの4弦、オーケストラの5弦の両方ともガット弦を張っています。
ガット弦は小さな力で押さえることができますが、これになれてしまうと細いスティール弦は余計な力がいるので弾きにくいのです。
バーゼルは当然スティールを使っているので、悩んだ結果、自転車だけ持って行くことにしました。スティール弦が弾けないというわけではないので。

さてプログラムは、
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
プロコフィエフ:交響曲第6番
という面白いものでした。

指揮者は彼の地のシェフ、
Dennis Russell Davies (デニス・ラッセル・デイヴィス)
ピアニストは旧ソ連グルジア出身の
Alexander Toradze (アレクサンダー・トラーゼ)
です。

とても良いオーケストラでした。
弦楽器はどのパートも末席までやる気で弾いています。
管楽器の音は充実しきっているし、何よりすごいのはティンパニ!
私のベルリン音大同級生の宮崎泰二郎さんだ。
この楽器でアーティキュレーションを作れるなんて初めて知りました。
(宮崎さん、ご馳走様でした。最終日ご挨拶できずに失礼しました。探したんですが・・・)

今回コントラバスは、
首席2名、契約団員1名を含む6名と、ドイツから来た日本人の我々2名合計8名でした。
フレンチ弓は団員に1人射て合計3人。

月曜日と火曜日がリハーサル、(4コマ)
水曜日の午前中ゲネプロ、夜本番。
木曜日の夜が第2回目の本番、
というスケジュールなので、午後のリハーサルのあとはサイクリング、夜はレストラン探索となります。

サイクリングの方はそちらのカテゴリーを読んでいただくとして・・・・

プロコフィエフ、初めての曲ですが、わかりやすい5番と違い初めは音になってきません。
でもさすがバーゼル響とディヴィス氏、どんどん仕上がっていきます。
ディヴィス氏はどこかのシェフと違い、細かいことは言わず、団員に失礼な態度を取ることもなく和やかに、かつ効果的に作業するのに感心しました。

火曜日の午後にはピアニストが入って協奏曲のリハーサルです。
もう愕然!すごい音量の出るピアニストで、舞台は揺れ、ピアノ(フルコンサート)が振動で舞台から落ちそうでした。でもピアニッシモの美しいこと!
音楽の作りは独特で彼自身の世界を形作っています。本当に心から歌っていました。
でもちまたの録音に慣れた耳には異様に聞こえるでしょうね。

あとから聞いたところ、危険防止のためピアノの蓋とその支え棒は金属板で固定、鍵盤の蓋も落ちてこないように本体にネジ止めしてあったそうです。
以前フランクフルト・オペラのオーケストラに来たシモン・バルトーを思い出しました。
コンサートでブラームスの協奏曲を弾き出す前に、椅子に座ったままブレーキのかかったフルコンサートを両手で『グイ』とてもとに引き寄せて即演奏しだしたのです。

木曜日、第2回目のコンサートのあと仲間と食事してホテルに帰ったら、ピアニストが取り巻きと話していました。
自然と話に入ってしばらくしたら、彼と自分の2人だけになっていました。
寒い表で2時まで話したあと、彼が「イチロウ、おまえは面白いやつだ、部屋に行ってもっと話そう!」、というわけで結局朝4時半まで話し込みました。その間ピーナッツとコニャックを飲み続けます。

彼の生い立ち、家族について、音楽に接する心がけ、練習について、ロシア音楽について・・・・・・。
最後には「おまえはショスタコヴィッチのヴィオラ・ソナタをコントラバスで弾くべきだ。いつでも伴奏してやるぞ」ヲイヲイ!
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by ichironoda | 2010-04-25 23:17 | 音楽/Musik
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フランクフルト市立オペラ首席コントラバス奏者、ヴィオラ・ダ・ガンバ/ヴィオローネ奏者、野田一郎が、お知らせ、独り言、ドイツ・フランクフルト事情を発信します。


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